風評の影響・・・ |
このところ日本の地震・津波の話題がとんと聞かれなくなってしまった代わりに、原発の話ばかりに話題が集中してしまっている日本関係のニュース。最初は地震、と言うよりは津波の恐ろしさでこちらのテレビでも真黒な波がわ~っと襲ってくるところを何度も何度も放送していました。でも地震から1週間ほど経ったときリビアがキナ臭い状況になってきていきなりトップニュースがリビア一色になってしまって、その後は段々地震関係の情報も少なくなり、最後には原発問題だけが独り歩きしてるような報道に・・・確かにもう峠は越えたということから扱いが小さくなったと良い方に考えても、ちょっと寂しい思いをしたことも事実です。私はどちらかと言うとフランスのニュースを見るので偏った情報になってしまうのかもしれませんが、フランスは原発大国だけあって最初からチェルノブイリと比較して専門家がいろいろとコメントしてましたけど、今回の問題はチェルノブイリとは違うって日本の報道では言っているんですが、そういうところはちゃんと伝えない(?)みたいですね。もしかしたら日本の報道は頭から信用してないのか?と思ったり。とにかくチェルノブイリの被害を延々と見せて日本はそのうちこういうことになるんだぞ~と脅しをかけているような、そんな感じでしたね。
テレビのニュースって多くの人が見てるものだから影響力もあるし、本当はもっと細かいところも伝えて欲しいんだけど、結局センセーショナルな部分だけが伝えられてそれを見た人たちが不安になったりするんじゃないかな、と思います。それはインターネットにしても然り。誰でもパソコン持ってたらGoogleで検索出来ちゃうし。
で、そのいい例がPaulで、私もそのせいで風評被害被りました(そんな大げさなものじゃないんですが!)。日曜日にPaulの実家に里帰り前の挨拶に行ったのですが、前日の土曜日の朝、Paulに「もしあなたの両親が私たちが日本に行く前にSeanに会いたかったら出発の前日の来週土曜日だとバタバタするし、平日だと私が忙しくてお相手できないからこの日曜日にしてもらって」と言ったところ、突然私たちの里帰りを思い出したかのように(そんなの毎年のことだし、チケットは去年の11月に発券しちゃってるのに)それまでな~んにも気にしていなかったのがいきなりあたふたと電話をかけ出した。私はどうせ両親に電話でもしてるんだろうと思ってたらなんだか会話のトーンが違うみたい?しかもパソコンで何やらごそごそ調べ物したりしてるし。「一体誰に電話してたの?」と聞くと知り合いの引退した放射能関係の教授に電話してた、だそうで。なんなの、どういうことで?と思ったら、「Izumi、今日本へ行くのはちょっとどうなんだろうね?」とわ~っと色々と言い始めてちょっとびっくり。なんでも、その教授が言うには福島の原発は広島の原爆の1000倍の放射能で(本当?)日本中あっと言う間に汚染されてしまう、などと言ってるらしい。さらに「Izumi、PENTAGONはそのうち日本中が放射能で汚染されるって言ってるよ!」だの(ペンタゴンだって・・・)「在日アメリカ大使館のサイト見てごらん、日本によほどの避けられない事情がない限り行かないようにって呼びかけてるし」だって。そういうのは私はわざわざ見ませんでしたけど、まぁ、なんてことを言うんだろうと私は頭に来ちゃったので早速実家に電話して父と話をしてみたら、実家の方は(中部地方)全く影響ないし普通そのものだよ、と。それでもPaulは「いいや、だめだめ! もし今行ったら僕たちのたった一人の息子のSeanが2~30年後に癌になっちゃうんだよ、どうするの!」と頑張っちゃってなかなか譲らない。父が現役だった頃の仕事先は関西電力だったので原発に関しては全く知らないわけではなく、それを踏まえつつ、日本の季節風と偏西風の事を説明してなんとかPaulを説得しようとしてくれました。さすがのPaulも風のことは初耳だったらしく、ちょっと静かにはなりましたが、まだ納得いかない様子だったので、父の「じゃぁ関東方面の友達に聞いてみたら」というアドヴァイスでそっち方面の友達にメール送りまくりで聞いたら、みんな揃いも揃って、普通よ~というお返事。決定的だったのは福島の隣の県の群馬県に住んでるYちゃんからの情報。最初は確かに食糧難で子供のお弁当のおかずにも事欠くような状態だったけど今は特に問題ないし、みんな普通に暮らしてるよ、とのこと。さらに大気中の放射能汚染の話なんか出ないよ~って。さらにダメ押しで在ベルギー日本大使館の公表している資料(WHOだのIAEAだの日本中の大気中の放射線量のリストなどなど)を片っ端からプリントアウトして「これでどうよ!」。これだけ言われれば頑固なPaulも認めざるを得なくなった様子で、「まぁ、行って欲しくはないけど」とブチブチ言いつつも結局OKになったというわけです。
まぁ、諸外国は自国民が事故に巻き込まれたりしたらかなわない(保証やら救助やらで)から、なんとか行かせまいとしてあの手この手かもしれないけど、滅茶苦茶なこと言っちゃまずいんじゃないのかなぁ~と思いましたけどね。そういうの見て良く知らない人はパニックになっちゃったりするわけで。私も今回のことで風評って怖いなぁ~とつくづく実感しました。
でもそういうことより、もっと被災した人達のことを伝えて欲しいなぁと思いましたね。最初の2週間くらいはUSTREAMでNHKの映像が受信できたので沢山の映像を見ることができました。その中で被災地のどこか、津波で大きな被害を受けた地区で一人の男性がぺしゃんこになってしまった御自分の家で御両親を探しているところをインタビューされていたんですが、彼が津波にあった時を思い出して「つないでいた手が離れちゃって・・・もっと美味しいものを食べさせてあげたかったし、温泉にも連れて行ってあげたかった・・・もう、出来ないんですけど・・・」と男泣きしているのを見て私も泣きました。
「親孝行したい時には親はなし、お父さんお母さんを大事にしなきゃだめよ!」といつも仲の良い父方の叔母から言われていたんですが、自分ではSeanも生まれたことだし、これで孫を抱かせてあげることができた、いい親孝行になったな~と自己満足していたものですが、この彼のインタビューを見て目から鱗が・・・そうなんだ!ちょっとしたことでも後になってみればこうすれば良かったああすれば良かったと後悔しちゃうんだ、と改めて気づかせてもらえたんですよね。私、ものすご~く単純かもしれないんですが今回はいつもの東京へは行かないのでその分を親孝行に回そうと、速攻でで下呂温泉の一番良いという温泉旅館を予約しました(笑)。
私たちに出来ることってとにかく今は普通に暮らせるように努力することなんじゃないかなぁ。普通にできることに感謝する、それが出来ない人たちもいるってことを思いながら。
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